デザイン思考(Design Thinking) 

デザイン思考(でざいんしこう、Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である。
<Wikipedia>
”デザイン思考”とは、現代ではその認知的行動をビジネス全般、特にイノベーションと名の付く活動に取り入れたこと、その活動や行動そのものをデザイン思考と呼ばれています。
ここで言うデザイナーの特有な認知行動とは、

・ターゲットを客観的に知ること
・知りえた知識から新しいもの発想すること
・プロトタイプを作り検討すること
・改善点を反映すること

と言えます。

<参考> U-Site デザイン思考の基礎
<参考> Plug デザイン思考の事例
<参考> NNGROUOP.COM Design Thinking101


Case.01

体制

開発者、社外デザイナー、心理学者、人間工学専門家の総勢35名

期間

11ヶ月

観察

競合他社の製品とユーザーの音楽視聴生活を徹底的に観察

視覚化

音楽のPC保存、デバイスの同期に不都合を発見。
「すべての音楽をポケットに入れて持ち歩く」というコンセプトに帰結。
このコンセプトの元、円盤マウスやAuto-syncを編み出す。

評価

約2ヶ月で100以上のプロトタイプを制作。評価と試作をなんども行き来し、最終形に。

 
Case.02 

体制

深澤直人のWithout Thoughtプロジェクト(ワークショップ)

期間

3日間の集中ワークショップ、数カ月のデザインレビュー(現在)

観察

人間が無意識にやってしまう行動原理を観察

視覚化

換気扇と、ぶらさがっていたら思わず紐を引く、というアイディアが帰結し、「空気を入れ替えるように音楽を流す」というコンセプトを立てる。

 
Case.03 

体制

当時スタンフォード大プロダクト専攻のPerry Klebahnによるプロトタイピング

観察

既存のスノーシューズを自分が使った時の苦労からバグリストを作る
重い、脱げる、雪がかぶると更に重い、など

視覚化

70%軽量化、使い難い部分を改良、いろいろな地形に対応

ビジネス

会社を立ち上げて商品化し、スキー場と提携して普及させた

<その他>
U-NEXT(Guild)、家電メーカーのユーザー密着調査、80年代のハーレーダビッドソンレトロ回帰など

 
Case.04 IDEO DEEP DIVE

ABCニュース"DEEP DIVE"。IDEOの先進的な活動を番組内で取り上げている。ここでIDEOのチームは、たった5日でショッピングカートを使いやすく改善する。そのプロセスは、カートの使用状況をショッピングセンターで観察し、メンテナンスの現状を作業者に会って把握し、メンバーでブレストしてアイディアを集積し、DIYショップで材料を購入しプロトタイプを製造する。デザイン思考と言われている典型的な例かもしれない。


現在でも優れたデザイナーは日常的な活動や情報吸収を背景にデザイン思考活動を脳内で実施し、ほぼ全ての人がうなずくものを創造することが出来ます。クリエイティブに絡む人々は大なり小なりこのデザイン思考活動をいつも行っているはずです。 このような活動をワークフローとしてビジネスの中で実践したのがIDEOと言えます。謙虚に、事実を知る、という人間中心設計プロセスに基づいています。

ゴール:ユーザーの行動変容を促す=新しい価値感を作る

デザイン思考とはデザインという言葉が接頭についたが為にデザイナーの特殊技能プロセスと思われていますが、実はモノづくりや設計プロセスのとても原始的、根源的なプロセスです。そしてデザイン思考のゴールはユーザーの行動変容を促すことが最大のポイントです。


歴史

一般に、ピーター・ロウの『デザインの思考過程(Design Thinking)』(1987年)において、建築家と都市計画者が用いる方法とアプローチを記述したもので、デザイン研究において「デザイン思考」という言葉が用いられた。
デザイン工学分野ではロバート・マッキムによる『視覚的思考の経験(Experiences in Visual Thinking)』(1973年)にも見出すことができる。
ロルフ・ファステは1980年代から1990年代にかけてスタンフォード大学にてマッキムの業績を拡張し、「創造的営為の方法としてのデザイン思考(design thinking as a method of creative action)」を教授した。
デザイン思考のビジネスへの応用はファステのスタンフォードでの同僚であるデビッド・ケリーによって開始された。ケリーは1991年にIDEOを創立。
<Wikipedia>
歴史的に重要なことは、従来製品開発の中で後半戦でデザインだけをしていた人達を上流から関わらせることがイノベーションや人間中心的な改善に繋がったことです。

デザイン思考が一般に認知されだしたのは、IDEOの活動を詳細に記したトム・ケリーの「発想する会社!」において紹介されたことや、彼らの開発した様々なものの偉業が伝播したことがきっかけと思われます。またAppleのiPodの事例などユーザーを知ることによってプロダクトデザインからサービスデザイン、そして音楽視聴のUXを最終的に変容させたことがデザイン思考の求める最終到達点(ユーザーの行動変容を促す)そのものであり、そのプロセスや美しいデザインが知らしめるきっかけとも思われます。

日本では、研究機関では一般社団法人デザイン思考研究所が慶應義塾大学SFCデザイン思考研究会から発展し2012に設立。本家d.schoolのメソッドを普及しています。その他のコミュニティとしては、情報デザインフォーラムHCDnet(人間中心設計機構)の中心メンバーにより情報デザインの枠組みの中で類似性とプロセスが企業のIAや情報デザイン/評価デザイン従事者に早くから広められた。
 
ビジネスエリアでは紺野登 著書の「知識経営のすすめ」にてデザインの重要性とデザインを重要視したものづくりや経営、場作りへの導入を触れています。紺野登は現在JIN(JAPAN INNOVATION NETWORK)にてIDEO共同設立者のTom Kellyを理事に招いて活動しています。
また、同時多発的に海外企業で従事していた人々や、IDEOの日本法人、IDEOに参画した日本人などが帰国して国内企業やデザイン企業などに移植した可能性もあります。同時期にはZiba TokyoOcean Observationなどの企業も日本に進出し、海外のブランディングデザインやUIの設計思想を持ち込みました。
上記HCDの流れから、国内企業ではコンセントがデザイン思考やサービスデザイン、人間中心設計を推進し、クイックなステップをサービスとして提供している。また東京のデザイン会社やUXを行う企業従事者のコミュニティとしてUX TOKYOなども活動している(最近UPDATEあまり無い)。

トレンドとしてはビジネスモデル・ジェネレーションやリーンスタートアップなどのイノベーションキットが盛んに輸入され、イノベーションブームとともに潜在的にデザイン思考も導入されています。現在ではこれらメソッドも含めて、デザイン思考が複合的にイノベーション手法として認知されているようです。これら手法はいろいろな人により改良され、細分化が進んでいます。
同時にPMBOKに代表されるプロジェクトマネジメント概念も広まり、ものづくりの体系が洗練され、整理されてきている段階と言えます。

近年になりデザイン自体がバズワード化し、ステータスが上がったと同時に、一般化が起こり最終的には低コスト産業に参入するきっかけとなりました。全てのものが美しく使いやすくなりつつある現代、ものづくりにデザインを取り入れる事が常識化しつつあると思います。最大の功績と思います。今後はA.I.も含めた自動化やツール化が急速に進化しすることで更に一般化していくとも思われます。